膝後十字靭帯損傷で保険会社提示が40万円だったのを裁判で約1300万円獲得した例
事故とケガの内容
依頼者(20代男性)は、バイクで走行中に対向車と正面衝突し、骨盤骨折等の大怪我をしました。治療の甲斐があって、骨盤は良くなりました。
しかし、膝が痛んで動かしづらく、自賠責保険に後遺障害の申請をしたのですが、「非該当」(=後遺障害に該当しない)の通知がきました。
依頼の経緯
保険会社からは約40万円の賠償金の提示がありましたが、ケガの重さから考えて納得できないということで、当事務所にご相談・ご依頼をされました。
弁護活動
1 新たな医師による診察と原因判明
後遺障害を認めてもらうためには、後遺症状があるというだけではなく、その原因を明らかにする必要があります。
そこで、ご依頼後、主に膝の不具合の原因を究明すべく、紹介した医師に診察してもらったところ、後十字靭帯が損傷していたことが判明しました。その医師のもとで治療を続けてもらい、後遺障害の申請に必要な「後遺障害診断書」も新たに作成してもらいました。
2 裁判所での訴訟
ところが、新たな後遺障害診断書を提出して行った自賠責保険への異議申立てでは「非該当」判断が覆りませんでした。
そこで、裁判所に訴訟を起こしました。裁判所は自賠責保険の判断には拘束されませんので、自賠責保険の非該当結果に納得できないという場合には裁判所での訴訟を選択することになります(訴訟ですから解決まで長期間かかることは覚悟しなければなりませんが)。
訴訟では、依頼者の靭帯損傷が交通事故によって生じたものか否か、靭帯損傷による膝の動揺関節(関節が安定しない)の程度が激しく争われました。
最終的に判決では、膝の靭帯損傷と後遺障害が認められ、約1300万円の賠償が加害者側(保険会社)に命じられました。
結果
当初の保険会社提示額(約40万円)から1200万円以上増額した1300万円の賠償金を獲得することができました。
ケガの内容に見合った適正な賠償金額が支払われてよかったのはもちろんですが、依頼者にとっては、事故後ずっと悩まされ続けてきた膝の不具合の原因が判明し、装具を付けることにより生活動作も安定したことは、とてもよかったと思います。