脊柱変形、胸腹部機能障害で保険会社提示が約440万円だったのを裁判で約1800万円獲得した例
事故とケガの内容
依頼者(50代男性、会社員)は、自動車で信号のない交差点の優先道路を走行していたところ、左から一時停止もせずに飛び出してきた加害自動車に衝突され、腹部を重度に損傷したほか、腰椎椎体の圧迫骨折等のケガをしました。
依頼の経緯
依頼者は自身の保険で弁護士特約をつけていたので、この先の保険会社対応や賠償に向けてということで、早期に当事務所にご相談・ご依頼をされました。
弁護活動
1 治療と当初後遺障害認定
かなりの大ケガだったので、入院治療や退院後も通院治療に専念していただいておりました。
治療終了後に自賠責保険から、骨折した腰椎につき脊柱変形で11級の後遺障害認定がなされました。
2 自賠責保険への異議申立て
依頼者は腹部のケガの治療をしていた医療機関からは、特に後遺障害診断書を書いてもらっていなかったのですが、よくよく症状をお聞きしてみると、当初、腸間膜の損傷の治療で大腸と小腸のつなぎ目の一部を切除しており、そのためか現在、腹痛と頻便状態となっている症状があることがわかりました。
胸腹部臓器の障害で典型的な障害のうち最も軽い11級には、「小腸を大量に切除したもの」、「大腸を大量に切除したもの」等がありますが、それに至らない非典型的内容でも「胸腹部臓器の機能に障害を残すもの」として、同第13級に該当する可能性があります。
そのため、担当医師に手術内容と現在の症状を記載した後遺障害診断書を作成してもらい、自賠責保険への異議申立てを行いました。
結果、腹部について13級の後遺障害が認められ、脊柱の11級と併合して、併合10級の等級が認められました。
3 裁判所での訴訟
当方からの損害賠償請求に対し、保険会社が脊柱変形も腹部症状もどちらについても、逸失利益を認めず、少額の回答しかしなかったため、適正な賠償を求めて裁判所への訴訟提起としました。
訴訟では、保険会社は後遺障害等級やその他様々な点を争いましたが、裁判所は当方の請求がほぼ認める形の和解案を提示し、双方ともこれを受け入れて、裁判上の和解成立となりました。
結果
当初の保険会社提示額(約440万円)から1300万円以上増額した約1800万円の賠償金を獲得することができました。