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頚椎捻挫等で後遺障害14級、自身の人身傷害保険を活用することで、自身の過失をカバーし相手からの賠償で約420万円を獲得した例

事故とケガの内容

依頼者(40代女性、兼業主婦)は、信号のない交差点で優先道路直進中、左方から飛び出してきた加害車に衝突される交通事故に遭いました。

依頼者のケガはかなり重く、約9か月間の通院治療をしましたが、頚部・上肢の神経症状が残り、自賠責保険で後遺障害14級の認定がなされました。

依頼の経緯

依頼者は自身の保険で弁護士特約をつけていたので、事故約1か月後のタイミングで当事務所にご相談・ご依頼をされました。

この事故は、冬季の北海道の事故特有の特徴として、現場道路が積雪で覆われていて、優先道路を示す「道路標示」(道路面に描かれた白線など)が見えなくなっており、依頼者の走行道路が優先道路であることが見えませんでした。果たして、このような場合に、優先道路である交通ルールはそのまま適用になるのかという問題がありました。過失割合に関して問題となるわけです。(ちなみに優先道路であることを示す「道路標識」はありませんでした。)

弁護活動

依頼者側にも過失割合が見込まれたことから、当初から依頼者には自身の自動車保険に附帯している人身傷害保険を使用して治療を受けてもらっていました。人身傷害保険での治療費対応をしている場合、結論として自身の過失分をカバーできることが多いのです(最終的に自身の過失分を受取額から削られないで済むということ)。

その後、治療が終了し、後遺障害認定も済み、相手保険会社と示談交渉をしましたが、金額や過失割合に隔たりが大きく、話はまとまりませんでした。

そこで、裁判所への訴訟で解決することとしました。

訴訟では、特に過失割合が大きく争いになりました。相手方の主張は「交通規制表示を視認できないのだから、優先道路ルールの適用はない、したがって5:5の過失割合の事故である」というものです。当方は「優先道路性は失われない」と主張しました。

最終的に、裁判所の和解案が示されました。裁判所は「優先性は積雪で中央線が消えていてもなくならないが、主観を全く保護しないのは妥当でない。認識できない非優先側通行者の主観を考慮して、そちらに有利な方向に修正するのが妥当ではないか」との心証で、3:7の和解案を提示しました。(積雪等の事情がなく、優先対非優先の場合は1:9が基本なのです。)

これを双方受け入れて、裁判上の和解成立となりました。

当方にとっては、3割の過失ありとされても、治療費を自身の人身傷害保険で払っていた関係で、(過失割合による)3割減額の影響をほとんど受けない形とすることができたのです。

結果として、約420万円の和解となりました。

結果

自身の過失の影響をほとんど受けず、最終的に約420万円の支払を受けることができました。

 

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