お互いの事故態様の言い分が対立する物損事故で、相手の100%過失事故との判決を勝ち取った例
事故の内容
依頼者(20代女性、会社員)の運転する車が片側三車線の第二車線を走行していたところ、第三車線から急に割り込んできた加害車がその後部を依頼者車両前部に衝突させていきました。
加害車は事故を起こしたのに止まらずに逃走してしまいました。他方、衝突され驚いた依頼者は付近に停止していたのですが、依頼者車両の後方を走行し事故を目撃していた第三者が義憤から加害車を追跡して停止しているところを写真に撮っており、後に依頼者に教えてくれました。
その結果、事故が確認でき、警察も介入して事故処理がなされることになりました。
しかし、相手方は事故態様につき、依頼者とは全く異なる主張をしていました。依頼者車両が急に寄ってきたため、衝突したものである、と主張してきたのです。
なお、幸い、双方ともケガはありませんでした。
依頼の経緯
相手方は任意保険に入っていましたが、保険会社も相手方本人の事故態様主張を前提としますから、依頼者との間で過失割合の折り合いはつくはずもなく、困った依頼者は当事務所にご相談・ご依頼をされました。
なお、依頼者は、自身の自動車保険に弁護士費用特約があり、自己負担なく弁護士を依頼することができました。もしも弁護士費用特約がなければ、本事案のような比較的少額の物損事故では、費用対効果の点で弁護士を依頼するというのは、非常に難しかったと思われます。
弁護活動
依頼者と相手方の事故態様主張が全く異なる以上、任意示談の目はなく、訴訟提起の上での解決とせざるを得ませんでした。
依頼者の主張が事実であるとしても、問題はそれをどのように第三者(裁判所)にわかってもらうかということです。裁判所は証拠で判断しますので、いかに依頼者に有利な証拠があるかがポイントでした。
その点で、この事案では事故を目撃した第三者がおり、非常に幸いなことに目撃者は依頼者に協力してくれる意向を示してくれました。最終的には法廷での証言もしていただけました。
その他にも、依頼者の法廷供述には全く不合理な点はなかった一方で、相手方の法廷供述は不自然・不合理な点が多々見られました。
そのようなことから、一審の簡易裁判所の判決は、方の全面勝訴であり、相手方の100%過失事故という内容でした。
しかし、しつこい相手方は控訴(不服申立て)をしてきて、控訴審である地方裁判所でも争うことになりました。ただ、控訴審判決も一審と同様に当方の全面勝訴でした。
このような経緯で、ようやく依頼者は修理費額の賠償金を得ることができました。
結果
依頼者の主張どおりの判決(相手方の100%過失事故である内容)が得られて、依頼者は完全に満足できる結果となりました。